前回、貸し農園ビジネスの問題を取り上げましたが、なぜ栽培、収穫された野菜を市場に出さないか?について話します。
一般的な農家は収穫した農産物を市場に出します。
生計のためなので当然です。
金銭的価値を生むまでのコストは、調整作業、包装、出荷、そして物流費がかかります。
それをかけなかったら、廃棄するだけです。
しかもそれまでの経費は赤字です。
一方、貸し農園運営事業社は、障がい者を雇用した企業に請求します。
その項目は、
1.農園を区画割りした設備費
2.月額就労管理費
3.人材紹介料
4.農業指導料
です。
この時点で収益が確保されます。
収穫された野菜を市場に出すとなれば、調整費、包装、出荷、物流費は運営事業社の負担になります。
しかも、農協、農家生産者と市場で競合し確実に赤字になります。
つまり、より多くの利益を確保したいならば、市場に出さないことなのです。
この運営事業社のHPに「雇用企業の社員食堂に利用します」「福利厚生として一般従業員に無料で配布している」とありますが、行き場がなくなった野菜の言い訳にしか聞こえません。