障がい者を雇用する
今回は、厚労省が定めた障がい者雇用率と一般企業の立場についてお話をさせていただきます。
障がいのある方の雇用支援を業務にしている会社(例 雇用支援コンサル社)HPを見ると、よく目にするのが「仕事(業務)の切り出し」というフレーズです。
会社を経営したことのない有識者風の方が言ったのを、そのまま使っているのでしょう。
よく考えてみてください。
企業内の仕事を円形のピザに例えます。
まとまりのあるチームが形のいいピザ(商品、サービス)を完成したとします。
その仕事を切り出すことに何の意味があるのでしょう。
今の業務を分け与えることはピザ(商品、サービス)の形を崩すだけでなく、チーム内から不満が出る結果になります。
逆に、形の悪いピザ(商品、サービス)しかできない企業が人材を雇用し、一緒に形も味もいいものを作り、利益になるからこそ採用してよかったと思うのです。
すなわち業績、収益に貢献することを期待してそのコストを掛けるのです。
障がい者雇用率達成は、企業側に「雇用するのは義務だから」となり、その結果、離職者も増えてくるのです。
本人に向いてない仕事、職場環境、人間関係、低い賃金等、様々な理由が挙げられますが、受け入れる企業が「義務だから」と思っていれば当然の結果かもしれません。
私たちの考え方は「障がいのある方ができる仕事を創る」そして「稼ぐ仕事をする」です。
「切り出す」ような仕事は、一般企業の場合外注やA型事業所に委託する方法で乗り切っています。
できる仕事
ご存知の方もおられると思いますが、自分たちができる仕事で給料をもらい、そして会社も利益を得ている好事例を紹介します。
神奈川県小田原市に株式会社リンクラインという事業所があります。
大手IT企業の特例子会社です。
先日、テレビ東京の「ガイアの夜明け」で放送されましたが、フルーツ石鹸の製造、販売では以前から知られていました。
購入者(ファン)は障がいのある方が作っていることは知りません。
障がいのある方が頑張っているのだから買ってあげましょう、ではないのです。
この商品が欲しいのです。
事業収益も順調に伸びているそうです。
私たちも「障がいのある方ができる仕事の創出」という点で計画しています。
都市型産直店『おばあちゃんち』の運営です。
障がいのある方と一般者(パート従業員)が一緒になって働く産直店です。
<図1>
<図2>
農福連携とは、その名の通り農業の現場と福祉事業所が連携して障がいのある方の仕事の創出することです。
しかし、近くに農地がなければなりません。
都市部ではその農地の確保すらできないのが現状です。
この都市型産直店は農福連携の形を変えた店舗運営です。
一般企業様が雇用した方とパート従業員が地方で生産された野菜、くだもの、加工食品等を都市部で販売する仕組みです。